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世捨て人の熊野紀行 【1】

 蜜柑の花咲く丘

 蜜柑の花が咲いている

  思い出の道 丘の道

  遥かに見える青い海

  お船が遠くかすんでる

      (みかんの花咲く丘=加藤省吾作詞)


そんな童謡を思い浮かべながら、

タワワに実る黄金色のみかん畑が、車窓に流れてゆく。

この中高年ひとり旅は、

ほんとうに蜜柑の美味しい紀州を実感する旅でもあった。

所々にある、蜜柑専門店を覗いて、

紀州のみかんは、でこぽん・ポンカン・オレンジ・八朔・・・、と二十数種。

678月を除いて、ほぼ一年中多様なみかんの実っている事を知った。

そして、ハネ物の6個から8個で100えんの、

みかんを喰うと、これがどれもとんでもなく美味しいのであった。


――関空から日根野経由で乗った、

JR「スーパーくろしお17号」新宮行きの座席には、

このように「熊野古道」のイラストシールが貼り付けてある。

「中辺路ルート」

「大辺路ルート」

世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道。


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・・・これや。

と和歌山を過ぎると、

気がつけば、指定席車両の乗客は、ぽつりぽつりと全三名。

いずれも、中高年のひとり旅、「古道ウオーカー」さまとお見受けするのは、

新しいウォーキングシューズとか脇に抱えたデイバックが、

共に「サライ」「一個人」等の雑誌読者と思しきいでたちであるからだ。


そうか。身なりも大切だなと、
我が身を検めれば、

靴はトッズ。パンツはストラネス。ニットはコムデギャルソンオム。

アウターはY-3。という、何れも使い古した旧品で身を固め、

インナーはユニクロ・ヒートテック。


ああ、上から下まで、ぜんぶユニクロでなくてよかった。

と、ちらっと思い。

しかし、旅行ケースの内に収められた我デイバックは、ぺしゃんと収納された、

1980えんのユニクロが一番とも、改めて実感する、今日この頃なのだ。

――そうして気を引き締めて、

いざ「熊野古道」へと、ひとり気合を入れて歩き出すと、

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あっちゃー。

間違えました。すみません・・・。

――そういう感じで、珍道中は始まったのであった。

■世捨て人の熊野紀行
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