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■世捨て人の熊野紀行 【17】 熊野本宮「大斎原」 |
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人がいのちの根源にふと立ち返ろうとする場所として、「熊野三山」はあった。
尽きることのない、那智大瀧の飛瀧神社と熊野那智大社であり、 そしてゆきつくところ、
「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中州であったのだという。 しかし、明治の大洪水により川は氾濫して、 本宮大社は現在の地へ移転を余儀なくされたのである。
西欧化・近代化を急ぐ、明治政府の無謀な政策に大自然があらがう如くにと、 そんな印象を個人的には感じてしまうが、 本宮大社の移転で、「大斎原」は、いまは河原の静かな森へと帰った。
いにしえからの生命再生の聖地であることに変わりはない。
それは生命再生の象徴の場所として、移すことの出来ない聖地なのである。 |
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