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増毛小学校木造校舎に感動する。

国道231号から増毛(ましけ)町へ向って右折すると、
懐かしい木造校舎があったので、思わずクルマを停めた。
――わあ、すごい。懐かしいなあ。
と突然、タイムスリップしたような感動だ。


――そうだよな。当時は体育館とは言わずに講堂と言ったよな。
――「関係者以外立ち入り禁止」か。
でもまあ、ちょっと周囲を見せてもらおう。



――そうだよ、こういう造りだったよ。窓の廻り。
・・・こういう造りで、かくれんぼにはちょうど良かった。
講堂には茣蓙を曳いて、窓に暗幕を引いて、映画を見ました。

――ところで正門は、何処なのだろう。
あっ生徒がいる。聞いて見よう・・・。


――開校132周年か・・・。

・・・あとで、町の早わかりマップを見て、
この、「町立増毛小学校」の木造校舎は、
北海道で最大最古の現役木造校舎だということを知った。

明治11年開校の歴史ある増毛小学校。
この校舎は、昭和11年建築で、
築72年を経ていまも現役なのだそうだ。
当時は、増毛町もニシン漁が盛んで、
景気がよく、校舎にも良質な建材が使用されたという。

建物を眺め回していると、
いつの間にか、下校のスクールバスを待つ児童たちが、
ヘンなおやじがいるという感じで窓越しに見ていた。

・・・おじさんは、PTAでも何でもありません。
縁もゆかりも無い、ただの通りすがりの、あやしげな者です。
ちょっと建物を見せていただいております。
と言おうとして、ただ、
――こんにちは。と笑顔をつくった。


  仰げば 尊し 我が師の恩
  教の庭にも はや幾年
  思えば いと疾し この年月
  今こそ 別れめ いざさらば

  互に睦し 日ごろの恩
  別るる後にも やよ 忘るな
  身を立て 名をあげ やよ 励めよ
  今こそ 別れめ いざさらば

  朝夕 馴にし 学びの窓
  蛍の灯火 積む白雪
  忘るる 間ぞなき ゆく年月
  今こそ 別れめ いざさらば
  

――そういう歌が、しぜんと思い浮かんでくる、木造校舎。



むかし、ピラミッドを作った王様が、
モノは造るより、壊すほうがカンタンだから、
壊してみろ。といったという話を読んだ事があるが、
地域の思いを大切に受け継いできた町の人々の思いが、
この古い木造校舎に凝縮している。
それは勉強が出来るとか、出来ないとかいう事よりも、
はるか以前に、もっとも大切な事だもんな。

いまでは、ほとんど消滅してしまっていたと思っていた、
忘れていた貴重な学び舎を、偶然見ることが出来た。

縁もゆかりも無い、ただの通りすがりだけれど、
増毛町に立ち寄る事が出来て、ほんとうに良かった。

■北海道から
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