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渡り鳥北へ帰る

稚内から旭川を目指して、朝の国道を行くと、にわかに上空が騒がしくなった。
ようやく春が来て、渡り鳥も北へ帰るのだ。

石狩川近郊の、美唄「宮島沼」を、夜明けと共に飛び立ったのであろう。
5月14日。時刻は朝の7時半すぎ。
250キロ離れたこの辺りまで、3時間余りで到達したわけだ。
ということは上空のマガン達は、およそ時速80キロで飛行中なのだ。


マガンは日本各地の越冬地から、宮島沼に集結し、
サハリン・カムチャッカ半島を経由して、北極圏の繁殖地まで、4000キロの旅をするという。

北海道では、苫小牧のウトナイ湖、石狩川湿地帯の宮島沼を経由して、南北に縦断する。
はるかに続く湿地帯は、渡り鳥たちの空のハイウエイ。
それを「北海道中央フライウエイ」と呼そうだ。
鳥たちは、天候を見定めて、4000キロの旅へ出発したのだ。

一日に何時間飛び続けるかは知らないが、
夜は羽を休めるとしたら、今夜はサハリン泊だろう。
北極圏へは、そのまま毎日飛び続けたら、一週間ほどで到達する勘定だ。




羽を寄せ合って、ギャアギャアと、コラ追い越し禁止だとか、わめきたてながら、
また、元の隊列を為して飛んでゆく。

――しっかり飛べよ。
とクルマを運転しながら、上空のマガン達に、エールを送る気持ちで見送った。

――ところが、どっこい。
また来た。・・・また来た。と一定の距離をとるように、
次々と、飛行編隊は繰り返しやってくるので、
クルマを停めて、写真を撮ろうと思いついた。
一個編隊100羽から、500羽と解るのは、写真に撮ったから。

集団が、ほぼ同じところを飛んでゆく。
鳥たちにも、ちゃんと空の道があるのだ。

■北海道から
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